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小学生サッカー育成ガチ編【第12話】:長男がファンタジスタに!?「体の矢印」でDFを騙す、魔法の選択肢の増やし方

サッカー初心者の道しるべ

小学生サッカー育成ガチ編【第12話】:長男がファンタジスタに!?「体の矢印」でDFを騙す、魔法の選択肢の増やし方

こんにちは!

試合を観ていると、時々、思わず「ええっ!?」と声が出てしまうような、信じられないプレーに出会うことがありますよね。DFが誰もいないスペースに、まるでそこに味方が現れることを知っていたかのような、魔法のようなスルーパス…。そんなプレーを見せる「ファンタジスタ」と呼ばれる選手たちに、私たちは心を奪われます。

「なんであんなパスが出せるの?」
「あの選手には、一体何が見えているんだろう…?」

もし、そんなプレーを自分の子供が出来たら…

今日は、そんなファンタジスタの魔法の正体を、我が家の長男が「カットイン一辺倒の“天然ロッベン”」から脱却し、プレーの幅を広げていったお話を交えて皆さんにご紹介したいと思います。

この記事を読み終わる頃には、皆さんのサッカーを見る目がガラリと変わり、お子さんのプレーを見守る時間が、今までの100倍も面白く、そして愛おしいものになるはずですよ!

それではどうぞ!

我が家の“天然ロッベン”!得意な武器と、見えてきた「次への壁」

あれは、私の長男が小学校4年生の頃。

彼は今では主流になっている、「右利き左サイドからのカットイン」が好きでした。

誰に教えられたわけでもないのに、アリエン・ロッベン選手さながらのマイナスのカットインで、まさに「天然ロッベン」と呼びたいほどの切れ味でした(親バカですね、笑)。親として、彼に得意な武器があることは本当に誇らしかった。

でも、同時に私は、ある種の「もったいなさ」も感じていました。

彼は当時、早生まれということもあってか、体の成長が少しゆっくりで、痩せ型。
そのため、せっかく得意のカットインで切り込んでも、そこからカーブをかけた強烈なシュートを打つキック力や、まだそのための技術が追いついていなかったんです。

結果、彼のプレーは、以下の様な「同じパターン」になっていました。

カットインでDFをかわし、ゴール中央あたりを過ぎると、シュートは打たずに、ファーサイド(逆サイド)にいる選手へパスを出す。

それが、彼のプレーの「セオリー」みたいになっていたんです。もちろん、”それも素晴らしい選択肢”の一つです。
でも、DFからすれば、それだけではあまり怖いプレーとは言えませんよね?

ただ、当時の長男は、まさにゴールデンエイジの真っ只中。
ちょっとした選択肢を与えるだけで、瞬く間に自分のものにしてしまう…
そんな姿を見るのが楽しくて、こちらもワクワクさせられました。

本人も、そんな自分の成長をしっかり楽しんでいる様子。

そこで今回は、「ファンタジスタ製造実験」を実施してみることにしました。

魔法の第一歩!「体の矢印」でDFを騙すスルーパスという選択肢

「得意なカットインを”きっかけ”に、たくさんの引き出し(選択肢)を持てたら、長男のサッカーはもっともっと楽しくなるはずだぞ!」

そう思った私は、長男に一つの「新しい選択肢」を授けることにしました。

それこそが、ファンタジスタたちが得意とする、あの自分の体の「矢印」とは別の方向にパスを出す技術の、初歩の初歩でした。

【ボクサカ流の働きかけ:必殺の“おとりスルーパス”】

まず、長男にこう伝えます。

パパサカ
パパサカ

今は入らなくても、いずれ、長男くんのやりたいプレー(カーブをかけたシュート)なんかは打てるようになるから大丈夫!

今できるプレーの”選択肢の一つ”として
逆サイドの選手にパスも良いけど
自分の「背中側のスペース」も意識してみて?

長男
長男

どういう事?

パパサカ
パパサカ

例えば…

カットインしている途中で、追い越したFWの選手がいるだろう?上がってきたサイドバックや中盤の選手でもいい。

その選手の動きを、ドリブルしながらも、頭の片隅に入れておくんだ。

長男
長男

あー…なんとなくわかった!

そして、具体的なプレーイメージを提示します。

パパサカ
パパサカ

さすがゴールデンエイジ♪

DFが長男くんにグッと引きつけられた、まさにその瞬間!追い越していった味方選手に、

スッとスルーパスを出してみるのはどうだろう?

持ちろん、逆サイドにパスも全然アリ♪
とにかく「色んな選択肢」があるから自分で実験しながらやってみて?

このプレーのミソは、

自分の体の「矢印」が横へ向いているのに、全く違う方向(追い越していく味方)へパスを出すこと。DFはボールを持っている選手の体の向き、足の振り、視線といった「矢印」を見て次のプレーを予測しますから、その予測をあざ笑うかのように裏切るのです。

これが、いわゆる「ノールックパス」にも繋がる、相手を騙す技術の第一歩なんですね。

長男はすぐにこの駆け引きの面白さに気づきました。
「自分がDFを引きつければ引きつけるほど、味方がフリーになる!」という成功体験。

この体験が、彼の視野を格段に広げる大きなきっかけになりました。

これまで取り組んできた

  • 「スペースを意識したドリブル」
  • 「相手の矢印(動きの方向)を読むドリブル」

に加えて、
今度は「自分の体の矢印(見せかけの動き)」を使って相手を騙し、違う方向のスペースや味方の足元へ決定的なパスを通す。

彼は、次の段階へとプレーを発展させることに成功したのです。

ファンタジスタの魔法、二つ目の秘密:「『ため』を作ることによる時間と空間の創出」

ドリブル中に一瞬スピードを緩めたり、ピタッと止まったりすることで、DFの足を止め、味方を走らせる時間を作り出す、まさに時間を操る魔術ですね。

このお話の詳細はこちらからお読みいただけます。

カットイン後、“キックフェイントからの縦突破”という魔法

「おとりスルーパス」や「ためを作る」という選択肢を手に入れた長男に対して、さらに選択肢を提示しました。それは、パスを警戒し始めたDFの、さらに裏をかくというものです。

パパサカ
パパサカ

カットインしたときに、味方がニアにいなくて縦にスペースがあった時…

相手の立ち位置から、縦に抜けそうだと判断したら行ってみてもいいんじゃない?
キックフェイント入れたらさらに騙せるかもね♪

スペースを把握してれば(視野の確保)、カットインだけで色んなこと(複数の選択肢)できるな♪

それを自分のひらめきで再現するって自由で楽しくない?

長男
長男

たしかに!

カットインという一つのプレーにも、いろんな選択肢を持たせてあげることで、子どもの中に「どう仕掛けるか」「何を選ぶか」といったプレーのアイディアがどんどん生まれてきます。

全ての土台!ピッチを360度見渡す「神の目」を養う“見る”習慣

さて、ここまで二つの魔法(選択肢)をご紹介してきましたが、これらのプレーを成功させるために、絶対に欠かせない、全ての土台となる三つ目の秘密があります。それが、ファンタジスタたちが持つ「視野の広さと空間認識能力」です。

  • 頭の中のGPSが、常にリアルタイムで更新されている!
    彼らは、ボールを受けるずっと前から、ドリブル中も、常に首を振り(スキャニング)、味方と相手の位置、そしてどこにスペースがあるのか、という情報を常に頭の中のピッチマップに入力し、更新し続けているんです。
  • まるで2秒後の未来が見えているかのような判断力!
    そして、ただ見ているだけでなく、「数秒後に、味方はどこへ走り込み、DFはどう動き、どこに新しいスペースが生まれるか」という未来を予測している。だからこそ、最適な選択肢(パスなのか、ドリブルなのか)を瞬時に選ぶことができるのです。

長男の成長を見ていて、段階的な変化があったことに気づきました。

まず、「スペースに運ぶドリブル」を通じて、“スペースを見る習慣がついた。
次に、「相手の矢印の逆を取る」意識から、“目の前の状況を読み、考える力が育ってきた。
そして、「自分の体の矢印と違うスペースを使う」を繰り返すうちに、“その先に生まれるスペースをイメージする”力まで身についてきたように感じます。

これこそが、ファンタジスタへの、そして賢いサッカー選手への、最も重要な第一歩なのかもしれませんね。
もちろん、長男はまだまだ成長途中。
プロ選手達には遠く及びませんが、
小学6年生くらいには常にキョロキョロして周りを見ていましたねー…

元々ドリブル一辺倒だった長男が、この頃から、徐々に「パスの魅力」に気付いたようでした。

まとめ

さて、今回はファンタジスタの魔法のカラクリと、それをヒントに「天然ロッベン」だった我が家の長男が、プレーの選択肢を増やしていった物語をお話しさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

かつてはカットイン一辺倒だった彼が、

  • 「体の矢印」をズラすパス
  • 「ため」を作るドリブル
  • パスを警戒し始めた「DFの裏」をかく縦突破
    という三つの新しい宝物を手に入れ、それを使い分けるための「見る」という目を養ったことで、サッカーが何倍も楽しく、そして奥深いものに変わっていったのです。当時ゴールデンエイジだった彼は、まるでスポンジが水を吸い込むように、あっという間にこれらのプレーを自分のものにしていきました。

ファンタジスタの魔法は、決して遠い世界の、一部の天才だけの特別な力ではありません。
その根底にあるのは、

  • 常にピッチ全体を把握しようとする「観察眼」
  • 相手の予測を裏切ろうとする「駆け引きの面白さ」
  • そして、そのために必要な「正確な技術」

という、「誰もが練習で身につけることができる要素の組み合わせ」なのだと長男を見守っていて気付かされました。

皆さんの目の前にいるお子さんも、今はまだ一つの得意なプレーに夢中かもしれません。
それは、とても素晴らしいことです。
その武器を尊重し、褒めてあげながら、そっと「こんな選択肢もあるよ?」と、新しい世界の扉を開けて見せてあげるのもぜひ参考にしてみて下さい。

パパサカ
パパサカ

皆さんの親子サッカーが、たくさんの「ひらめき」と「笑顔」、そして「成長の感動」に満ちたものになることを、心から応援しています!

次回へ続く!

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