小学生サッカー育成ガチ編【第24話】フットサルの癖がサッカーで通用しない理由|足裏テクを“本物の武器”に変える条件とは?
こんにちは!
リフティングはチームで一番上手い。
足技も誰よりも持っている。
それなのに、いざサッカーの試合になると、なぜか評価されない…。
コーチからは「持ちすぎるな」「球離れが悪い」と注意され
本人も
「抜けるんだけど、最後には囲まれて取られちゃうんだよな…」
「低学年の時は活躍できていたのに、徐々に活躍できなくなってきた…」
と悩んでいる。
そんな、「技術はあるのに、試合で輝けない」というジレンマを抱えている選手や親御さん、
意外と多いのではないでしょうか。
実はその原因、もしかしたら無意識のうちに体に染み付いてしまった、「フットサル特有の癖」にあるかもしれません。
「えっ、フットサルの技術って、サッカーにも役立つんじゃないの?」
そう思われる方も多いでしょう。もちろん、その通りです。
でも、「使い方」を一歩間違えると、その素晴らしい技術が、
サッカーの広いコートでは逆に「足かせ」になってしまうことがあるんです。
今日は、
多くの技術自慢の選手たちが陥りがちな「フットサルの落とし穴」と、その癖を矯正し、
お子さんの持っている足元の技術を、サッカーの試合で決定的な仕事をする「最強の武器」へと変えるための、
たった一つの条件についてお話しします。
それではどうぞ!

足元の技術が「仇」になる?フットサル出身者が陥るサッカーの落とし穴

私もフットサルに夢中になっていた時期があるので、痛いほどよく分かります。
狭いコートで、足裏を使ってボールをこねくり回し、相手を翻弄する快感。
あれはたまりませんよね。
でも、その感覚のままサッカーのピッチに立つと、どうなるでしょうか?
なぜ「ドリブルでかわせるけど取られる」のか?
よくあるのが、1人目は華麗な足技でかわせるのに、
2人目のカバーに捕まってしまったり、パスコースが見えなくて自滅してしまうパターンです。

多くの選手は、「もっと抜く技術を磨かなきゃ!」と考えがちですが、
実は問題の核心はそこではありません。
本当の問題は、抜いた瞬間に「ボールを見すぎて(ヘッドダウン)、次の状況が見えていない」ことにあるんです。
サッカーで邪魔になる「フットサルの悪い癖」3選

具体的に、どんな癖がサッカーの試合で邪魔をしてしまうのか、
代表的なものを3つ挙げてみます。
① 足裏トラップの多用 ~ボールは止まるが、プレーも死ぬ~
フットサルでは基本の足裏トラップ。
でも、サッカーの試合でこれを多用しすぎると、ボールが完全に静止してしまいます。
すると、プレーの連続性(モーメント)が切れ、DFに寄せる時間を与えてしまうんです。
サッカーでは、ボールを動かしながら次のプレーに移行することが求められます。
※もちろん、足裏トラップが有効な場面もあります。
例えば前線の選手で、DFやGKから”手前でバウンドする”ような浮き球パスを受ける時。
後方からDFに寄せられて逃げ場がない状況では、足裏でボールを収めることで素早く体を入れやすく、失わずに次のプレーへ移行しやすくなります。
② 足元すぎるボール位置 ~「懐」ではなく「檻」~
ボールを懐深く、足元に置くのは良いことのように思えます。
しかし、あまりに足元すぎると、顔が下がり、視線が足元に限定されてしまいます。
これでは、まるで自分で自分を「檻」に閉じ込めているようなもの。広い視野を確保できません。
③ ゼロヒャクのリズム ~「静」ではなく「動」の中で~
フットサルは、止まった状態から一気に加速する「静から動」の動きが多いですが、
サッカーは常に動きながら、走りながらプレーする「動から動」の技術が求められます。
止まってボールを持つ時間が長いと、広いコートではすぐに囲まれてしまいます。

実はうちの長男、小学3年生の頃にフットサルスクールへ通っていた時期があります。
そこで練習を見ていると、「個人技」や「1対1」がとても上手な子がたくさんいました。
しかし不思議なことに、そうした子たちの多くは、所属チームでは主力として活躍できていないようでした…。特に高学年の子
何故か…
下の記事でその理由についても考察していきます。
「足裏の癖」を「武器」に変えるたった1つの条件
では、フットサルの技術はサッカーでは使えないのでしょうか?
いいえ、決してそんなことはありません!
ネイマール選手やロナウジーニョ選手のように、
フットサルの技術をサッカーで爆発させている選手はたくさんいます。

彼らと、評価されない選手との違い。
それはたった一つ。
「顔を上げたまま(ルックアップ)」その技術を使えるかどうか、これに尽きます。
もっと言えば、「スペースを探しながら」と言ったほうが正しいかも知れません。

これができれば、足裏でボールを止めた瞬間に、味方へのパスコースも見えているし、
ドリブルのコースも見えています。相手DFは、パスかドリブルか絞り込めず、飛び込めなくなる。
つまり、「ルックアップ」という条件さえクリアすれば、
足元の技術は、サッカーでも「最強の武器」に変わるのです。

正し、習得が難しい「足元の技術」を、
顔を上げたまま(スペースを探しながら)行えるようになるにはかなりの努力と時間が必要です…
【解決策】「足元」の前に「スペース」を!ルックアップが自然と身につく“逆転の習得順”
足元の技術に特化したスクールに通わせているのに、試合で活躍できない…。

その最大の原因は、「難しい技術習得=ボールを凝視してしまう癖」が先に定着してしまうことにあります。
足元の技術は習得が難しく、どうしても下を向かないとできないため、
結果的に「周りが見えない」「横パスしか出せない」選手になってしまうのです。
ジュニアユースでも、こういった「上手いけど怖い選手ではない」中盤の選手を多く見てきました。
そこで、私が長男との経験から導き出した、効率的な解決策をご提案します。
それは、
「まず『スペースを突くドリブル』を習得してから、その後に『足元のスキル』に取り組む」
という、習得の順番を逆転させる方法です。
なぜ「スペース」から始めると上手くいくのか?(長男の成功例)

実は、我が家の長男はこの順番で成長しました。
(スペースを意識した練習の詳細は、こちらからお読みいただけます)
まず最初に取り組んだのは、細かいフェイントではなく、「空いているスペースを探して、そこへボールを運ぶ」というシンプルな練習です。
- 「見る」癖が勝手につく スペースを探すためには、嫌でも顔を上げて周りを見渡す必要があります。つまり、「ルックアップしよう」と意識しなくても、「スペースを探す」という目的を持たせるだけで、自然と顔が上がり、ルックアップができるようになるのです。
- 土台ができてから「技術」を乗せる 顔が上がった状態(視野の確保)がデフォルトになってから、初めて足裏や1対1などの「ボールに集中しがちな技術練習」に取り組みました。
- 交互に行うことで「実践力」に昇華 もちろん、新しい技術を練習する時は最初は顔が下がります。そこで、広いコートでの「スペースを突くドリブル」と「細かい技術練習」を交互に行いました。すると、「視野を保ったまま、細かい技術を使う」という感覚が脳と体にリンクしていったのです。
この順番で取り組んだ結果、長男はドリブルで抜くだけでなく、「顔が上がっているから、スペースへ走り込む味方も見えて、決定的なパスが出せる」選手へと変貌を遂げました。

注意点として、顔を上げること自体がゴールではありません。
大切なのは、顔を上げたうえで “周囲の状況(空いているスペース、敵・味方の位置)を把握できているか” という点です。
「スペースを突くドリブル」は、足元を磨くスキルに比べれば断然簡単です。
まず顔を上げる癖をつけてから、そこに高度な技術を上乗せする。
そうすれば、これから紹介する『OnePush』のような「足元の技術に特化した練習」を行っても、下を向くことなく、スムーズに実戦へ落とし込むことができるはずです!
土台ができたら、次は「武器」を磨く番!迷わず技術を習得できる“サッカーの教科書”『OnePush』

「スペースを突くドリブル」で、
顔を上げる癖(ルックアップ)と、広い視野という「土台」ができあがりました。
ここまで来れば、もう大丈夫。

以前のように「技術練習をしたら顔が下がって周りが見えなくなる」というリスクは激減しています。
そして、ここからが、長男も取り組んだ「足元の細かい技術(武器)」をインストールする段階です。
しかし、ここでも多くの親子が壁にぶつかります。
そこで、私が自信を持っておすすめしたいのが、
サッカーの技術習得に特化した、動画形式の教科書『OnePush(ワンプッシュ)』です。
これは、何かを強制するような道具ではありません。
ドリブル、トラップ、リフティングといったサッカーに必要な技術を、
150本以上の動画で体系化されたプログラムです。
なぜ、「スペースドリブル」×「OnePush」が良いのか?
「スペースを見つける目」と、「思い通りにボールを操る技術」。
この二つが揃った時、お子さんはピッチの上で誰よりも自由で、誰よりも怖い選手になれるはずです。
▼サッカー教科書「ONE PUSH」の詳細はこちら▼
技術はある。あとは「顔を上げる」だけ。
その一歩を踏み出して、ピッチの景色を変えてみましょう!
(サッカーの教科書「ONEPUSH」を紹介した記事はこちら)
まとめ:順番を変えるだけで、その「足技」は最強の武器になる!
今回は、せっかくの技術が試合で活きない悩みを持つ親子へ、「習得する順番を変えてみる」という解決策をお伝えしました。
フットサルで培った足元の技術や、これまで練習してきたリフティング。
これらは決して無駄ではありません。
ただ、その技術を輝かせるためには、「顔を上げて、スペースを見る」という土台が先に必要だっただけ。
このような順序で取り組めば、お子さんのプレーは劇的に変わります。
「かわせるけど結局取られる」選手から、「周りを見ながら、自分の技術で自由に局面を打開できる」頼もしい選手へ。
サッカーは、状況を見て、判断して、技術を発揮するスポーツです。
「見る目」と「扱う技術」。この両輪がガッチリと噛み合った時、
お子さんはピッチの上で、今までにない景色を見ることができるはずです。

「スペースを見つける目」と、「思い通りにボールを操る技術」。
実は、私が目指していた理想の選手像でもありました。
だって、これが完璧にできたなら、なんでもできるじゃないですか!?
次回へ続く!
▼サッカー教科書「ONE PUSH」の詳細はこちら▼