小学生サッカー育成ガチ編【第21話】:「ラ・ボバ」と三笘選手の「反発ステップ」に学ぶ、簡単だけど奥が深いドリブル技
こんにちは!
「何か、うちの子でもできる、簡単で効果的なドリブル技ってないかなぁ…」
「YouTubeで見るような派手な技は、難しくてなかなか真似できないし…」
そんな風に、お子さんの「必殺技」を探して、親子であれこれ試行錯誤しているご家庭も、きっと少なくないのではないでしょうか。
そんな皆さんにおすすめしたい、とっておきのドリブル技があります。 その名も、「ラ・ボバ(La Boba)」!
スペイン語で「おバカさん」なんていう、ちょっと面白い名前のこの技。
アルゼンチンの天才、ダレッサンドロ選手が得意としていたことで有名ですが、その動きは驚くほどシンプル
でも、その奥には、相手DFを完全に手玉に取り、置き去りにするための、深~い「駆け引き」と「科学的なカラクリ」が隠されているんです。
この記事では、この「ラ・ボバ」という技の本当の魅力と、このシンプルな技が、いかにして三笘選手やネイマール選手が見せるような、爆発的な縦突破を生み出すための、完璧な「スイッチ」となり得るのか、そのカラクリを解き明かしていきたいと思います!
それではどうぞ!

まずは「反発ステップ」を理解しよう!~三笘選手やネイマール選手たちの速さの秘密~
【反発ステップとは?】
例えば右利きの選手が左サイドをドリブルしている場面。相手DFと対峙し、一気に縦へ突破しようとする、まさにその瞬間。
ボールの外側(この場合は右側)の地面に右足を強く、そして少し体の前方へ踏み込みます。
そして、その地面から返ってくる力(地面反力)をロケット噴射のように利用して、体を一気に前方(縦方向)へ押し出す技術、これが「反発ステップ」です。
なぜ「反発ステップ」で爆速が生まれるのか?
これには、明確なスポーツ力学的な理由があります。
- 重心の沈み込みによるパワー溜め
ボールの外側へ大きく足を踏み込むと、自然と体全体の重心がグッと低くなります。これは、強力なバネを思いっきり圧縮しているのと同じ状態。脚やお尻の筋肉に、爆発するためのエネルギーが溜め込まれるんです。 - 地面反力の最大化
強く地面を踏み込むと、作用・反作用の法則で、地面も同じ力で体を押し返してきます。この「地面反力」という、地球からのプレゼントを、斜め前方に踏み込んだ足と、絶妙な前傾姿勢によって、前方への推進力に100%変換する。これが、あの異次元の加速を生み出すカラクリです。 - 筋肉と腱のバネ効果(伸張反射)
踏み込んだ瞬間、脚の筋肉やアキレス腱は一瞬引き伸ばされます。引き伸ばされた筋肉や腱は、元に戻ろうとする強い力を発揮します。このゴムのような性質(伸張反射)も、爆発的なパワーに加わっているのです。
三笘選手やネイマール選手は、この極めて高度な身体操作を、無意識のレベルで、完璧なタイミングで実行しているんですね。
「ラ・ボバ」が「反発ステップ」の“完璧な起爆装置”になる!
一見、静かな「ラ・ボバ」と、爆発的な「反発ステップ」。
この正反対に見える二つの技が組み合わさると、相手DFにとって悪夢のようなコンビネーションになりえます。
因みに「ラ・ボバ」と「反発ステップ」の合わせ技については、ぱんだ兄弟のチャンネルでも紹介されていました。
【練習のイメージ】
- サイドからの仕掛けで相手と正対し、タイミングを見て”前側”の足にボールが転がるように仕向けたら、すかさず”後ろ側”の足裏でボールを引いて足元でピタッと止めます(ラ・ボバ)
- 相手DFが「お、止まったな。中に切り込んでくるか?」と、足を止めて様子を窺った、その瞬間!
- 先ほど解説した「反発ステップ」を使い、DFが全く警戒していなかった縦方向へ、爆発的に加速して置き去りにする!

私の場合、コーチが狭いフットサルコートだったこともあり、トラップの時点でボールを前足側に置くように意識していました。(例:左サイドの場合、左足でトラップする等…)
ぱんだ兄弟さんの動画や、記事の【練習イメージ】説明欄①にあるように、
前足側にボールを置いた状態を作り、そのまま素早く「ラ・ボバ」から縦突破につなげていました。
というより、ほとんどクセになっていたんですが(笑)。
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【応用編】「ラ・ボバ」が生み出す“一瞬のスキ”を突く、必殺また抜き術
この「ラ・ボバ」が作り出す「静」の瞬間は、反発ステップ以外にも、様々な必殺技のトリガーになります。その一つが、「また抜き」です。
【場面の想定】
①相手DFがプレーヤーに向かって横からプレスを掛けに来ている状態。
②タッチライン際のボールを追っていて、後ろからDFが迫っている状態
【攻略法】
①まさにDFがボールを奪おうとしてくる瞬間。ここで「ラ・ボバ」を使います。足の裏で、ボールを少しだけ自分の右斜め後ろに引くように、ピタッと止めます。すると、DFの意識と体の重心は、ボールが動いたプレーヤーにほんの少しだけ引きつけられますよね。
その瞬間!DFの足の間に、心のスキマ、ならぬ「足のスキマ」が生まれているはずです!
そこをすかさず、ボールを止めていた右足のインサイドなどで、チョンと通してあげる。
②ボールに追いついた瞬間、クルッと体を回転させながら「ラ・ボバ」を使います。すると①と同じような「隙」が生まれるのでチョンと通して「ハイ♪チャリーン♪」

まとめ
さて、今回は「ラ・ボバ」というシンプルな技を起点に、三笘選手も使う「反発ステップ」や「また抜き」といった、より高度なテクニックへと繋げる、科学的なカラクリについて、熱く語らせていただきました。
- 「反発ステップ」は、地面からの力を利用した爆発的な加速術である。
- 「ラ・ボバ」は、相手を「静」の状態に陥らせる、完璧な起爆装置(トリガー)である。
- この「静」と「動」の差を突くことで、相手を置き去りにすることができる。
ドリブルは、ただ闇雲にボールを運ぶだけではありません。相手を観察し、思考を読み、そして物理法則さえも味方につける、非常に奥深い、知的な駆け引きなんです。
ぜひ、親子で「どうすれば相手を騙せるかな?」「どんな合わせ技が効くかな?」なんて、ワイワイ言いながら、自分たちだけの必殺コンビネーションを探求してみてください。
その探求の先に、お子さんの新しい才能の扉が開く瞬間が、きっと待っていますよ!

次回へ続く!
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