小学生サッカー育成ガチ編【第8話】:相手のプレスを利用して置き去りにする
こんにちは!
前回の記事では、早生まれの長男にとって親子で意識してきたことなどをご紹介しました(前回の記事はこちら)
また、壁当て練習についての記事も書いていますので、そちらもぜひご覧いただけると嬉しいです(壁当て練習の記事はこちら)。
今回は、その壁当て練習と似た内容のトレーニングを、親子で実践した様子をご紹介します
「うわっ、DF来た!ボール取られちゃう…!」
「後ろからプレッシャーがかかると、どうやって前を向いたらいいか分からないよぉ…」
試合中、こんな風にDFの鋭いプレスにタジタジになってしまうお子さんの姿を見て、「なんとかしてあげたい!」と感じている親御さんも、きっと少なくないのではないでしょうか。
この記事を読み終わる頃には、「プレス、怖くないかも!」「これなら親子で楽しく練習できそう!」そんな風に、皆さんの心に温かい灯がともり、DFを置き去りにするあの快感を、親子で分かち合うための一歩を踏み出せるお手伝いができたら嬉しいです。
それではどうぞ!

DFの矢印をへし折る!基本の「お迎えトラップ&逆取りターン」
まずご紹介するのは、プレス回避の基本、「相手の予測の裏をかく」トラップ&ターンです。

この練習は、我が家では私が「パスの出し手」。
長男と次男が、「パスの受け手」と「DF」を、交互に変わりながら行いました。
なので、人数は3人になりますね。

なるべく分かりやすくするために、
「受け手が左から右へパスをもらいに行く」設定で説明します。
「DFは受け手の正面(対峙するような形)、もしくは少し左にズレたの位置から」
「パスの出し手は、受け手に対して横パスを出せる位置」にいるものとします。
【練習の状況設定】
- 受け手がパスをもらいに右に動き出す(お迎えに行くイメージ)。
- パスの出し手が、受け手に向かって横にパスを出す。
- DFは、受け手の少し後ろから、ボールが渡る瞬間を狙ってプレスをかける。
【攻略のステップとポイント】
- 見る!DFの位置とスペースを瞬時に把握!
ボールが自分に向かってくる間に首を振ってDFの位置、自分との距離感、そしてDFがいない逆側のスペースをしっかりと確認します。 - おとり動作でDFを引き込む!
ボールを迎えに行く動きは、実はDFを自分に引きつけるための「おとり」でもあります。DFが「よし、ボールを奪うチャンスだ!」と勢いよく向かってくる、その矢印をしっかりと感じ取ります。 - 勝負の1タッチ!遠い方の足で「逆」を取る!
DFが勢いよく向かってきたその瞬間、ボールを遠い方の足でトラップします。
そしてここがミソ!ただ止めるのではなく、DFが進んでくると予測した方向とは全く逆の、事前に確認しておいた空いているスペースへと、ターンしながらボールをコントロールするんです。

ちなみに、逆側に敵がいなければ、トラップ要らずなケースも多いです。
- 意識するポイント
- ボールを受ける前の首振り確認(DFの位置、空きスペース)
- ボールを迎えに行く動き(おとり動作でDFを引きつける)
- DFを引きつける絶妙な間合い
- 遠い方の足でのトラップの質(ボールをどこに、どんな強さで、ターンしやすいように置くか)
- ターン後のスムーズな加速でDFを完全に置き去りに!
この練習で一番大切なのは、DFの「こっちに来るだろう」という予測を裏切り、その勢いを利用して逆を取ること。
少し練習すれば、割と簡単に習得できると思います。
DFの裏の裏をかく!高等テクニック「見せかけトラップ&切り返し」~名付けて“おあずけターン”~

基本の「逆取りターン」が身についてきたら、次はその応用編!DFとの駆け引きをさらに楽しむための、ちょっぴり意地悪だけど効果抜群のテクニックをご紹介します。
【練習の状況設定】
上の基本形と同様、親子3人で行います。DFのプレッシャーも、基本形と同じくらいでOKです。
【攻略のステップとポイント】
- 基本形と同じように、DFの位置とスペースを確認し、ボールを迎えに行きます。
- そして、遠い方の左足で逆方向へトラップする「と見せかける」。※わざと読ませるような動きを意識することもも状況によって有効だと思います。
- 相手DFが、「そっちか!」、とその動きに対応してきた瞬間…
- すかさず左足のインサイドで、ボールを素早く元の方向へ切り返す!
まさに、DFの「裏の裏」をかく動きですね。
- 意識するポイント
- DFの重心移動、足の運びをなんとなくで良いので把握
- 最初の「見せかけ」の動きの質
- 切り返す時のボールタッチの速さと正確さ
- 体全体のフェイント(肩の向き、目線、上体の使い方で相手を騙す!)

※長男の場合、上半身は左に少し残しつつ、左足のインサイドで足首を使ってはじくようにタッチしていました。足裏を使う方法も有効だと思いますよ♪
これはもう、相手DFとの高度な心理戦!「こっちだよ~」と美味しいエサをちらつかせておいて、まんまと食いついてきたところを「残念でした~!そっちはフェイクだよ!」と華麗に出し抜く。
この「おあずけターン」が決まった時の快感は、本当に格別。
この”派生型”は長男が得意で、今でも試合で使っているところを目にします。
一見すると難しく感じるかもしれませんが、この記事で紹介しているプレーは、
「実はボールタッチは“たった一回”しかしていません。」
小学生年代から始められる、DFとの駆け引き練習として最適ですし、試合でも十分に使える技です。
狭くても負けない!「お尻ガード&逆取りトラップ」
最後の秘訣は、相手DFとの距離がグッと近くなった、場面で輝くテクニックです。
DFにガッチリと体を寄せられても、慌てずにボールをキープし、そしてチャンスを窺う。そのための「体の使い方」と「ボールコントロール」です。
この技、我が家では「お尻ガード」なんて呼んでいました(笑)。
【練習の状況設定】
これも親子3人で。ただし、DFは、これまでよりも近い距離から、ボールホルダーに体を寄せてプレッシャーをかけます。
これまた「左から右側に受けに行く設定」で説明します。
【攻略のステップとポイント】
- DFが迫ってきた!相手にボールを触らせないための「壁」を、自分の体で作る。
自分の足をボールと相手の間にねじ込んで、お尻で相手の侵入コースを力強く塞ぐイメージです。 - 背中というよりは、腰、またはお尻を上手く使って相手をドンとブロック!
これが、狭いスペースでボールを守るための最初の砦!相手はボールに触りたくても、「お尻ガード」に阻まれて足が出せません。 - ブロックしたら、相手のプレッシャーが届かない逆側の安全なスペースへ、ボールを確実にコントロールします。

体でブロックしているので、パスにスピードがあれば触る必要がないケースも多いです。
狭いスペースや状況に応じてタッチの工夫を!
- 意識するポイント
- ボールと相手の間に自分の体を入れる的確なポジショニングの速さ
- 腰やお尻を使った効果的なブロッキング
- ボールを隠し、次のプレーに繋げるためのボールコントロール
- 相手のプレスの力を利用するような、柔よく剛を制すターンのタイミングと体の使い方
- ターンする先のスペースを確認する意識
DFにガッチリと体を寄せられても、慌てない、騒がない。しっかりボールを隠し、相手の力を利用するようにクルッと回る。まさに「柔よく剛を制す」です。
この技術が少しでも身につくと、本当にボールを失う回数が減り、狭い局面でもチャンスを作り出せるようになってきたんです。
ボールコントロールや派手な足技ももちろんカッコいいですが、もしジュニア期から“体の使い方”まで身についちゃった日にゃぁ……ねぇ、奥さん(笑)

まとめ
さて、今回はDFのプレスを華麗にかわし、トラップの技術も同時に磨ける3つの秘訣と練習法について、我が家の次男との奮闘記(笑)も交えながらお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
- 基本は「お迎えトラップ&逆取りターン」!DFの矢印をへし折ろう!
- 応用編は「見せかけトラップ&切り返し」!DFの裏の裏をかけ!
- 最後の砦は「お尻ガード&逆取りトラップ」!狭くても諦めるな!
これらの練習を通して一番伝えたいのは、DFのプレスは決して怖いものではなく、むしろ相手を出し抜く絶好のチャンスなのだということ。
そして何よりも、これらの練習は親子で一緒に、楽しみながら取り組むのが一番!成功したら一緒に喜び、失敗したら「次はどうしようか?」と一緒に考える。その時間が、お子さんの技術だけでなく、サッカーを愛する心、そして親子の絆を、より一層深めてくれるはずです。
こういう駆け引きが上達すると、「むしろプレス強い方が楽♪逆を取りやすいから」なんて言うこともあるかもしれませんよ。ちなみにこれは、ジュニア期の長男が生意気にも言っていたセリフです(笑)。

