ルーマニアが生んだドリブルの魔術師5傑！ハジから“忘れられた天才”まで、珠玉のファンタジーに迫る！
こんにちは！
ヨーロッパのドリブラーを巡る旅、今回は東欧に位置し、多くのテクニシャンを生み出してきた国、
ルーマニアが生んだ、創造性あふれるドリブラーたちに焦点を当てたいと思います。
ルーマニアのサッカーは、力強さというよりは、狡猾さと、誰も思いつかないような意外性に満ちたドリブルが魅力です。
今回は、そんな彼らのスタイルを象徴する、珠玉の5人の名手をご紹介させていただきます。
それではどうぞ！
ゲオルゲ・ハジ ～“カルパチアのマラドーナ”。左足一本で世界を支配した伝説の10番～
まず最初にご紹介するのは、この選手をおいてルーマニアサッカーは語れません！レアル・マドリード、バルセロナというスペインの二大巨頭でもプレーし、「カルパチアのマラドーナ」と称された、史上最高のファンタジスタの一人、ゲオルゲ・ハジです。
ハジ選手のプレーは、まさに魔法の左足そのもの。
彼のドリブルは、爆発的なスピードがあるわけではありません。しかし、ボールがまるで彼の体の一部であるかのように、全く足から離れない。そして、DFが密集するエリアでも、相手の重心の逆を突く鋭いターンと、予測不能なボールタッチで、いとも簡単に相手を置き去りにしてしまうのです。
彼のプレーは、サッカーがいかに「頭脳」と「技術」で相手を上回ることができるスポーツであるかを、最高のレベルで示してくれました。
アドリアン・ムトゥ ～セリエAを席巻した孤高の天才ドリブラー～
2000年代のイタリア・セリエAで、その圧倒的な個人技でDFたちを恐怖に陥れたのが、アドリアン・ムトゥ選手です。
ピッチ外での問題行動も多い、まさに「悪童」でしたが、その才能は本物でした。
ムトゥ選手のドリブルは、鋭い切れ味と、ゴールへの強い執着心が特徴。DFとの1対1の局面では、多彩なフェイントと一瞬の加速で相手を翻弄し、どんな体勢からでもゴールを狙ってくる。その姿は、まさに獲物を狙う毒蛇のようでした。彼のプレーは、見る者にスリルと興奮を与えてくれる、危険な香りに満ちていましたね。
ルチアン・スンマルテアン ～“天才”。ボールが魔法のように足に吸い付いた魔術師～
さあ、ここからは知る人ぞ知る、本物のテクニシャンをご紹介します！ルーマニアが生んだ「天才」、ルチアン・スンマルテアン選手です。
彼のプレーは足元にボールがある時の絶対的な安心感と、まるで魔法のようにボールが足に吸い付く、超絶技巧のドリブル。それは、まさに本物でした。
スンマルテアン選手のドリブルは、相手DFに体を寄せられても、全くボールを失わない。細かいボールタッチと、相手のプレスの力を利用するような滑らかなターンで、いとも簡単にプレッシャーを無力化してしまうのです。その姿は、ピッチ上の魔術師そのもの。
ガブリエル・トルジェ ～“ルーマニアのメッシ”。爆発的な加速力でサイドを切り裂いた韋駄天～
イタリアのウディネーゼなどで活躍し、そのプレースタイルから若き日には「ルーマニアのメッシ」とまで称されたのが、ガブリエル・トルジェ選手です。彼の最大の武器は、小柄な体躯から生み出される爆発的な加速力と、切れ味鋭いドリブル突破でした。
トルジェ選手のドリブルは、低い重心を活かし、一瞬のスピードで相手を置き去りにするスタイル。ボールを持ったら、迷わず縦に仕掛けていく積極性も魅力でした。彼のプレーは、スピードという武器がいかにDFにとって脅威となるかを、改めて教えてくれますね。
ヤニス・ハジ ～父の才能を受け継ぐ、新たなる“10番”～
そして最後にご紹介するのは、あのゲオルゲ・ハジの息子、ヤニス・ハジ選手です！偉大すぎる父を持つプレッシャーは計り知れませんが、彼もまた、その血を受け継ぐ卓越したテクニックと、創造性あふれるドリブルを武器とする選手です。
ヤニス・ハジ選手のドリブルは、父と同じく左利きではありませんが（彼は両利きに近い）、相手の意表を突くパスや、繊細なボールタッチに、父の面影を感じさせます。彼のプレーを見ていると、ルーマニアのファンタジスタの系譜が、新しい世代にも確実に受け継がれていることを感じさせてくれて、本当に嬉しくなりますね。
まとめ
さて、今回はカルパチアの山々が生んだ、ルーマニアのドリブラーたちを厳選して5名ご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか？
伝説の10番、ゲオルゲ・ハジの魔法の左足。
孤高の天才、アドリアン・ムトゥの毒蛇のような切れ味。
知る人ぞ知る魔術師、ルチアン・スンマルテアンの神がかったボールタッチ。
韋駄天、ガブリエル・トルジェの爆発的な加速力。
そして、父の才能を受け継ぐ、ヤニス・ハジの新たなるファンタジー。
いやはや、本当に個性豊かな才能の宝庫ですね！
彼らのプレースタイルは実に多彩ですが、その根底には東欧の選手たちが持つ高い技術レベルと、ラテンの血を感じさせるような創造性、そして「トリコロリ」としての誇りが共通して流れているように感じます。
次回へ続く！
