サッカー育成ガチ編【第26話】J下部全落ち…からの街クラブ選び。「出遅れパパ」が体験した即日合格の夜と、意外な結末
こんにちは、
突然ですが、セレクションの不合格通知を受け取ったあと、
皆さんはすぐに気持ちを切り替えられましたか?
私はと言えば、恥ずかしながら当時はジュニアユースサッカー界隈の知識がほとんどなく、
不合格の現実を前にして、
「さて……次はどうしようか……」
と、完全に立ち止まってしまいました。
我が家はこれまで、
「本人がどうしたいか」「どうなりたいか」を軸に進路を考えてきました。
そのため、もしダメだった場合にどうするかを、親子ともに深く考えていなかったのです。
焦りばかりが先に立つ中で、ふと頭に浮かびました。
「あ、そうだ。近隣のクラブチームを調べてみよう」
そこから、我が家の“次の選択肢探し”が始まったのです。
ところが…です。
いざ「ジュニアユース クラブチーム」と検索を始めた瞬間、私は愕然としました。
ある強豪チームでは、「練習会」という名の実質的なメイン選考会が、すでに終了していたのです。
「えっ……まだ初夏ですがな…」
当時の私は、ジュニアサッカー界における時間の流れの速さを、まったく理解していませんでした。
気づけば我が家は、完全に“出遅れ組”。
焦りと冷や汗をかきながら、ゼロから情報を集め直す日々が始まります。
そしてそこから、
予想もしなかった出会いと学びに満ちた
冷や汗と感動の「街クラブ探し」が幕を開けたのです。

まさかの「出遅れ」発覚!練習会とセレクションの残酷な違い
お恥ずかしい話ですが、当時の私は
「セレクション=入団テスト」
だと思い込んでいました。
しかし、J下部チームや、街クラブの世界にはそれとは別に、もっと重要なイベントが存在していたのです。
それが「練習会」。

私なりに理解したニュアンスは、こんな感じ。
気づいた時には、県内でも指折りの強豪クラブの練習会は、すでに終了。
思わず天を仰ぎました。
「……やってしまった」

それでも、諦めるわけにはいきません。
本番のオーディションが終わったあとの「残り枠」を狙い、
強豪クラブのセレクションに挑むことにしました。
すでに練習会の時点で、長男のポジションには有力な選手が決まっていたのかもしれません。
それでも息子はモチベーション高く挑み、
持ち前のドリブルやゴールに絡むプレーで、最終選考の直前まで必死に食らいつきました。


結構やれたと思う

確かに、随所に良いところが出せてたよな♪
カッコ良かったよ♪
長男のこの一言に、彼自身の「実力を示せた」という自信を感じることが出来ました。
やはり大人に試される機会を経験したことで、彼自身も成長したようです。
我が子ながら素直に尊敬…
…が、ここでまたしても「間の悪さ」が発動します。
合格者と練習会内定者を集めた、いわゆる“非公式練習会”。
そこに呼ばれたものの、なんと既に決まっていた合宿日程と丸被り。

参加できないまま迎えた最終選考…
果たしてどうなるのか…
「君なら他でも大丈夫」謎の不合格と、即日合格の温かさ
いよいよ、セレクション最終選考当日。
ビブスの色ごとに編成されたチームで、試合形式が行われました。
おそらくですが、ビブスの色や番号によって、評価の目安や期待される役割を整理している…
そんな印象を受けました。

うーん……何ともリアル。
(この感じ、J下部のセレクションとまったく同じでした)
そんな中、長男は調子が良さそうでした。
ドリブルで相手のファールを誘い、自らフリーキックを獲得。
そして…なんと!!そのフリーキックを自分で蹴りにいったのです。

放たれたボールは、落ちるカーブのかかった見事な軌道。
惜しくもバーをかすめてゴールとはなりませんでしたが、
「……アンタ、そんな武器持ってたん?」と、
見守るこちらが驚かされる一幕でした(笑)

全体としても良い手応えを感じたまま、セレクションは終了。
帰り道、長男がふいにこう言いました。

担当コーチから、
『君の実力なら他のチームでも大丈夫だね』って言われた
最初は正直、
「何やねん、それ……」
と、少しモヤっとしました。
でも、今になって思えば…
それは決して「実力不足」を意味する言葉ではなかったのかもしれません。
おそらくは、ポジション被り。
すでに練習会で、息子と同じポジションの有力選手が内定していた。
そんなチーム事情があったのではないか、と。
そして結果は、不合格。
真相は分かりません。
こればかりは、タイミングと運。
ただ…これほどまでに、親として責任を感じたことはありませんでした。
「すまぬ、息子よ……」

気を取り直し、次に申し込んだのは
「古豪」と呼ばれる、伝統ある街クラブの練習会でした。

ここは、ギリギリ間に合いました。
J下部、強豪クラブ…
いくつもの場を経験したことで、息子も少し逞しくなっていたのかもしれません。
伸び伸びとプレーし、自分の持ち味である
「運ぶドリブル」「点に絡むプレー」を、しっかりとアピールできていたようでした。
そして、驚くべきことが起こります。
練習会を終えて帰宅し、一息ついたその日の夜。
私の携帯電話が鳴りました。

ぜひ、うちに来てくれませんか?
…合格の連絡でした。それも、即日。
J下部の時のように、長く待たされることもなく。
意味深な慰めの言葉をかけられることもなく。
ただ、まっすぐに、
「君が欲しい」
そう言ってもらえたのです。
この「必要とされている感覚」が、
私たち親子の心に、どれほど沁みたことか。

電話で話している私の横で、
息子が聞き耳を立てていたのを覚えています。

どうだった?
なんて言ってた?

合格だって♪
「ぜひうちのチームに来てください」だってさ♪
そう伝えた瞬間、
パッと花が咲いたような表情。

へへっ、マジで?
照れ笑いする息子の顔を見て、
私もようやく、肩の荷が下りた気がしました。
この出来事から、親子で感じたこと
- 即戦力としての評価
→ 練習会に間に合った事も大きい - 迅速なオファー
→ 本気で欲しいという、何より分かりやすい熱意 - 息子の安心感
→ 認められることで、失いかけていた自信が戻った - 親の安堵
→ 進路が決まることの、何にも代えがたい安心感
そして今なら、はっきりと言えます。
ジュニアユース選びは、
「どこが一番すごいか」ではなく、
「どこが一番、必要としてくれるか」。
あの時の即日の電話は、
その大切な事実を、親子に教えてくれた出来事でした。
▼自主練メニュー作りのヒントに▼
「往復2時間」か「自転車」か。究極の二択と息子の決断
古豪クラブからの合格に続き、実はもう一つ―…
地元にある、自転車で通える街クラブからも合格をいただきました。
こちらは技術指導に定評があり、
私の“変態ドリブル好き”の血が騒ぐようなチームです。
……まあ、長男には親の好みなど関係ありませんが(笑)
こうして始まったのが、贅沢すぎる悩み。
長男の手元には、2つの切符がありました。
古豪クラブ

デメリット
地元の街クラブ

デメリット
選択肢は、実に分かりやすいものでした。
親として正直に言えば、
通う負担が少ない地元クラブの方が、圧倒的に“楽”です。
中学3年間、往復2時間の移動は、
勉強や睡眠時間を確実に削ります。
それでも、「より高いレベルでやりたい」という気持ちも、痛いほど分かる。
だから私は、
それぞれのメリット・デメリットをすべて伝えた上で、
最終的な決断を息子に委ねることにしました。

この記事の冒頭に書いた通り、
大切なのは、この先サッカーで
「自分は、どうしたいのか」
「どうなりたいのか」
その目的に沿ったチームを、
自分の意志で選ぶことだと思ったからです。
たとえ親が「こっちが正解だ」と決め、
結果的にうまくいったとしても、それは本人の成功体験にはなりません。
選んだ道を、自分の力で“正解”にしていく。
うまくいかなかったとしても、それは確実に人生の糧になる。

息子が出した答えは、
正直、私の予想とは違うものでした。
それでも彼は、
「ここなら自分が成長できる」
そう感じた直感を信じて、決断したようでした。
自分で選んだ道なら、
少々辛くても、きっと踏ん張れる。
そう信じて、私たちは彼を送り出すことにしました。
J下部控えより、街クラブの王様を目指す
今、振り返ってみて思うことがあります。
「あの時点では、J下部に落ちて、逆によかったのかもしれない」と。
もちろん、負け惜しみに聞こえるかもしれません。
ですが、長男の場合、あの不合格があったからこそ、
街クラブで、最終的に“中心選手”として多くの経験を積むことができました。
「自分は、このチームに必要とされている」
その感覚がもたらす自尊心は、
技術以上に、選手の成長を加速させる原動力になります。

一方で、あるJ下部セレクションで同じチームだった合格者。
後になって知ったのですが、彼は3年間、ほとんど公式戦に出場できなかったそうです。
(※もちろん、合格そのものが非常に価値のあることであり、当時の評価が高かったことは間違いありません。
ここでは優劣を語る意図ではなく、あくまで「結果としてそういう現実もあった」という事実をお伝えしています。)
どれほど高いレベルの組織に所属していても、
ピッチに立てなければ、サッカー選手としての成長は鈍化する。
これは、残酷ですが紛れもない現実であると感じています。
あの経験から、強く感じたこと
もし、この記事を読んでいるあなたや、あなたのお子さんが
今まさに「落ちた」「選ばれなかった」という現実に直面しているのなら、
それは、終わりではありません。
むしろ、本当に自分が輝ける場所を探す、スタート地点なのかもしれません。
大切なのは、
「どこに所属したか」ではなく、
「その場所で、どれだけ本気で向き合えたか」。
今は胸を張って言えます。

まとめ|ジュニアユース選びで本当に大切だったこと
あの時の不合格は、我が家にとって、結果的に“遠回りに見えた最短ルート”でした。
J下部セレクションの不合格から始まった、我が家のジュニアユース選び。
当時は、情報不足と準備不足を痛感し、正直なところ親としての無力感もありました。
しかし、今振り返ってみると、あの不合格は「失敗」ではなく、
息子にとって最適な環境へ辿り着くための通過点だったのだと思います。
育成年代のサッカーにおいて重要なのは、
- どれだけレベルの高い看板を背負っているか
- どれだけ有名な組織に所属しているか
ではなく、
- 試合に出られるか
- 期待され、役割を与えられているか
- 自分は必要とされていると実感できるか
この3つが、選手の成長を決定的に左右するのではないかと。
私が親として大切にしている理念は、
正解を与えることではなく、
子どもが自分で納得して選ぶ経験を守ることです。
親が敷いたレールの上で得た成功は、
子どもの本当の自信にはなりません。
一方で、自分で選び、自分で踏ん張った経験は、
たとえ挫折を伴っても、確実に人生の糧になります。
そう信じています。
ジュニアユース選びに、絶対的な正解はなく、
J下部が合う子もいれば、街クラブで大きく伸びる子もいる。
大切なのは、「どこに行くか」ではなく、
「その場所で、どれだけ本気で向き合えるか」
もし今、セレクションに落ちて途方に暮れている親子がいるのなら、
どうかこう考えてみてください。
選ばれなかったのではなく、まだ“本当に合う場所”に出会っていないだけかもしれない。
あの時の不合格があったからこそ、
息子は自分の居場所を見つけ、成長することができました。
この経験が、
同じように悩む誰かの、
次の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

次回へ続く!
▼サッカー教科書「ONE PUSH」の詳細はこちら▼